ダ・ヴィンチ「常識とは、他の感覚から与えられたものを判断するものである」

レオナルド・ダ・ヴィンチ
  • 1452年4月15日~1519年5月2日
  • イタリア人
  • 万能人(画家、彫刻家、建築家、発明家、科学者など)
  • 絵画「モナ・リザ」や「最後の晩餐」をはじめとする芸術作品の制作、さらに「飛行機の設計図」や「解剖学の研究」などの科学や工学における先駆的なアイデアも多く残した

レオナルド・ダ・ヴィンチ – Wikipedia

英文

“Common Sense is that which judges the things given to it by other senses.”

日本語訳

「常識とは、他の感覚から与えられたものを判断するものである」

最初に

この名言は、レオナルド・ダ・ヴィンチが「常識」や「共通感覚」について述べたものである。彼は、常識を人間の感覚が提供する情報を整理し、判断する力として捉えている。この言葉は、五感が個別に提供する情報を統合し、それに基づいて理性的に判断する力が「常識」であるという考え方を表している。

解説

ダ・ヴィンチは、人間の知覚や感覚について深い関心を持っていた。彼の観察によれば、私たちは視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚など、さまざまな感覚を通じて外界の情報を受け取る。しかし、それぞれの感覚は独立しているため、個別の感覚だけでは全体的な判断を下すことはできない。このため、これらの感覚が提供する情報を統合し、意味を見出す役割を果たすのが「常識」だと彼は考えた。

「常識」という言葉は、日常的にはよく使われるが、ここでの「common sense」は哲学的な意味合いが強い。ダ・ヴィンチは、感覚から得られたデータを整理し、総合的に判断する力としての「共通感覚」または「常識」を述べている。この「常識」は、感覚から得られるバラバラの情報を一つにまとめ、現実世界を理解するための判断基準となる。

さらに、この名言は、感覚が私たちに与える情報は必ずしも完全でないことを示唆している。個別の感覚が正しく働いていても、それだけでは全体像が掴めない場合がある。そのため、感覚から得た情報を評価し、正しく解釈するためには、「常識」や「理性」が必要になる。ダ・ヴィンチは、このようにして感覚の限界を補完し、適切な判断を下すための能力が「常識」だと考えた。

この考え方は、現代においても有用な教訓を提供している。情報過多の現代社会において、私たちはさまざまな感覚やメディアから膨大なデータを受け取っているが、それらを正しく判断するためには、単なる感覚以上の分析力や判断力が求められる。ダ・ヴィンチが言う「常識」は、私たちが複雑な情報を整理し、意味を引き出すための重要な知的能力である。

結論

レオナルド・ダ・ヴィンチのこの名言は、常識が五感から得られる情報を整理し、判断するための知的な力であることを示している。彼は、感覚そのものが提供する情報だけでなく、それを統合し、評価する「常識」の重要性を強調している。この言葉は、私たちに感覚的な情報を理性で判断し、現実を理解するための知的なアプローチを再認識させるものである。