「愚か者、もしあなたなしで生きていけたなら、百回でも毒を盛ることができたのですよ」

クレオパトラの名言・格言・警句(画像はイメージです)
クレオパトラの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 紀元前69年頃~紀元前30年頃
  • プトレマイオス朝エジプト出身
  • 女王

英文

“Fool! Don’t you see now that I could have poisoned you a hundred times had I been able to live without you.”

日本語訳

「愚か者、もしあなたなしで生きていけたなら、百回でも毒を盛ることができたのですよ」

解説

この言葉もクレオパトラが語ったとされる名言として広く知られているが、信頼できる史料には登場せず、劇的効果を狙った創作の可能性が高い。シェイクスピアや後世の文学作品がこのような表現を流布させたことが背景にあると考えられる。

内容からは、激しい情熱と皮肉が交錯する感情の深さが読み取れる。毒を盛ることができたのにそうしなかったという発言は、愛する相手への絶対的な依存と執着、そしてその矛盾する感情を象徴している。この種の表現は、愛と憎しみが紙一重であることを如実に示しており、劇的な人間関係における心理の深層を描いている。

現代においても、この名言は強烈な愛情表現の比喩として使われることがある。たとえば恋愛関係や親密な人間関係において、相手に対する依存心が高まると、自由や怒り、支配欲といった負の感情が混ざり合うことがある。そのような状況で、口にこそ出さないが同様の葛藤を抱く人は少なくない。人間の感情の複雑さと、愛ゆえの抑制が生む苦悩を象徴する言葉である。

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