「現代戦争は単なる軍事行動にとどまるものではないことを、諸君は皆承知していなければならない。それは国家の全力とすべての資源を巻き込むものである。兵士だけでなく、例外なくすべての国民が参加するのである」

- 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
- 中国(清国)出身
- 軍人、政治家、中華民国総統
英文
”You must all be aware that modern war is not a mere matter of military operations. It involves the whole strength and all the resources of the nation. Not only soldiers, but also all citizens without exception, take part.”
日本語訳
「現代戦争は単なる軍事行動にとどまるものではないことを、諸君は皆承知していなければならない。それは国家の全力とすべての資源を巻き込むものである。兵士だけでなく、例外なくすべての国民が参加するのである」
解説
この言葉は、蔣介石が総力戦の本質を説明した発言である。近代戦争においては前線の軍事行動だけでなく、産業力や経済力、そして国民全体の士気と協力が勝敗を決定する。つまり、戦争は国家全体の存亡をかけた国民総動員の闘いであると強調している。
歴史的背景として、この発言は抗日戦争期における中国の状況と結びついている。当時、中国は日本の圧倒的な軍事力に対抗するため、持久戦の戦略を取らざるを得なかった。そのためには兵士だけでなく、農民や労働者、知識人までも含めた全国民の協力と犠牲が不可欠であった。蔣はその意識を国民に徹底させることで、戦争継続の正当性を高めたのである。
現代においても、この言葉は戦争や国家的危機の本質を考える上で重要である。軍事力だけではなく、経済や技術、社会の結束が勝敗を左右する点は、今日の安全保障にも通じる。蔣介石の言葉は、戦争を理解するうえで国民全体の参加と責任が不可欠であることを示しているのである。
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