「現代世界とは、あらゆる国家がその国民の能力を発揮させて国力を育成しなければならない世界である。個人の独立した地位やその思想と行動は過去のものとなる」

蔣介石(画像はイメージです)
蔣介石(画像はイメージです)
  • 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 軍人、政治家、中華民国総統

英文

”The modern world is one wherein every nation has to develop the strength of which its citizens are capable. The independent status of the individual, his thoughts and actions become a thing of the past.”

日本語訳

「現代世界とは、あらゆる国家がその国民の能力を発揮させて国力を育成しなければならない世界である。個人の独立した地位やその思想と行動は過去のものとなる」

解説

この言葉は、蔣介石が近代国家と個人の関係性を語った発言である。彼は、近代における国家の生存と発展は国民全体の能力を動員することにかかっており、個人が独立して自由に活動する時代はもはや終わったと見ていた。つまり、個人よりも国家全体の力を優先する思想が示されている。

歴史的背景として、この発言は日中戦争や第二次世界大戦の総力戦体制と密接に関わっている。当時は国民一人ひとりの思想や行動が国家の方針に従属し、国防や生存のために動員される状況であった。蔣はこの現実を受け入れ、国家的統合と国民総動員の必要性を説いたのである。

現代においても、この言葉は国家と個人のバランスを考える上で重要である。国家が安全保障や発展のために国民を組織化する一方で、個人の自由をどこまで保障すべきかという問題は現在も続いている。蔣介石の発言は、危機的状況において国家が個人の独立性を制限する必然性を示すと同時に、その緊張関係の中で自由と国家の力をどう調和させるかという普遍的課題を提起しているのである。

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