「革命の目的は、中国自身の利益に関して言えばその本来の国境の回復であり、世界に関して言えば、すべての国々が平等の段階から理想的統一の段階へと徐々に進むことである」

- 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
- 中国(清国)出身
- 軍人、政治家、中華民国総統
英文
”The aim of the Revolution is, so far as the interests of China herself are concerned, the restoration of her original frontiers and, in regard to the rest of the world, a gradual advance of all nations from the stage of equality to that of an ideal unity.”
日本語訳
「革命の目的は、中国自身の利益に関して言えばその本来の国境の回復であり、世界に関して言えば、すべての国々が平等の段階から理想的統一の段階へと徐々に進むことである」
解説
この言葉は、蔣介石が中国革命の二重の目的を示したものである。国内的には、列強によって奪われた領土を取り戻し、国家の主権を回復することが第一の課題であった。国際的には、各国が平等に扱われ、やがて理想的な統一に至るという普遍的な目標を掲げている。これは孫文の思想を継承したものであり、民族解放と世界平和を同時に追求する姿勢を表している。
歴史的背景として、清朝末期から中華民国成立にかけて、中国は列強による領土侵略や不平等条約に苦しんでいた。蔣は革命の目的を「本来の国境回復」とすることで、国家主権の完全な回復を強調した。同時に、孫文の「大同思想」に基づき、国際社会の調和と統一という理想も掲げ、中国革命を世界史的意義のある運動として位置づけた。
現代においても、この言葉は国家主権の回復と国際協調の両立という課題を示している。国家が自立を確立することと、国際的な平和統一を追求することは一見矛盾するが、蔣はこれを革命の両輪とした。彼の言葉は、民族独立と世界的調和を同時に志向する政治理念の重要性を伝えているのである。
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