「1917年のロシア革命の初期において、私はそれに完全に共感していた。それが近代世界史における新しい時代を切り開いたと感じたのである。私はその影響に圧倒され、人々が否定的なことを言えば力強く擁護し、共産党を非難する者がいればその弁護をした」

- 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
- 中国(清国)出身
- 軍人、政治家、中華民国総統
英文
”In the early days of the Russian Revolution in 1917, I was completely in sympathy with it. I felt that it established a new era in the history of the modern world. I was so overwhelmed by it that, if people made any unfriendly comment, I would vigorously defend it. If people condemned the Communist party, I would speak in its defense.”
日本語訳
「1917年のロシア革命の初期において、私はそれに完全に共感していた。それが近代世界史における新しい時代を切り開いたと感じたのである。私はその影響に圧倒され、人々が否定的なことを言えば力強く擁護し、共産党を非難する者がいればその弁護をした」
解説
この言葉は、蔣介石がロシア革命に対する初期の共感を率直に語ったものである。当初、彼は帝政打倒と民衆解放という革命の理念を高く評価し、世界史的な意義を感じ取っていた。その熱意は、批判者に対して積極的に弁護するほどのものであった。ここには、理想主義的な側面を持つ蔣の姿が現れている。
歴史的背景として、当時の中国は列強の支配と国内の混乱に苦しんでおり、ロシア革命は一つの希望の象徴と映った。しかし蔣は後に、ソ連の干渉や共産主義運動の実態を目にする中で失望へと転じる。したがってこの発言は、後年の失望を前提とした初期の熱狂的支持を振り返ったものである。
現代的に見ても、この言葉は理想と現実の間の落差を考えるうえで示唆的である。新しい理念や運動が登場したとき、人は熱烈に支持することがあるが、実際にその運動が運営される中で矛盾や問題が露呈することも少なくない。蔣介石の発言は、理想に共鳴しつつも現実を観察する冷静さの必要性を伝えているのである。
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