「古代中国においては、共同体生活においても個人生活においても自治は高度に発達していた。相互保護と扶助の慣習は広く行き渡っていた。地方自治の組織と規則は明確に定められ、厳格に適用されていた。個人の自律はさらに強く重視されていた」

- 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
- 中国(清国)出身
- 軍人、政治家、中華民国総統
英文
”In ancient China, self-government was highly developed both in community life and in personal life. The custom of mutual protection and assistance was widespread. The organization and regulations of local self-government were clearly defined and strictly applied. Individual self-control was even more strongly emphasized.”
日本語訳
「古代中国においては、共同体生活においても個人生活においても自治は高度に発達していた。相互保護と扶助の慣習は広く行き渡っていた。地方自治の組織と規則は明確に定められ、厳格に適用されていた。個人の自律はさらに強く重視されていた」
解説
この言葉は、蔣介石が中国の伝統における自治の発達を強調した発言である。彼は、民主主義や自治が西洋由来の概念ではなく、中国自身の歴史の中に深く根付いていたと主張している。共同体の規律や相互扶助の慣習、さらには個人の自己抑制は、中国社会を支えてきた重要な要素であったと位置づけている。
歴史的背景として、村落共同体の自治や宗族組織に基づく社会秩序は中国伝統社会の特色であった。科挙制度や地方の自律的な慣行は、外的権力に依存せずとも一定の統治が可能であることを示していた。蔣はこれを取り上げることで、近代的な民主政治を導入する正統性を、中国の歴史的伝統の中に見いだそうとしたのである。
現代においても、この言葉は地域社会や個人の自律が国家運営の基盤であることを示唆している。自治は単なる制度ではなく、相互扶助と自己規律に裏打ちされて初めて機能する。蔣介石の発言は、民主主義の定着には歴史的伝統と文化的土壌の存在が不可欠であることを教えているのである。
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