「中国は自らの独立のためだけでなく、あらゆる被圧迫民族の解放のために戦っている。我々にとって、大西洋憲章とルーズベルト大統領がすべての人々に掲げた四つの自由の宣言は、戦いの信念の礎である」

- 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
- 中国(清国)出身
- 軍人、政治家、中華民国総統
英文
”China not only fights for her own independence, but also for the liberation of every oppressed nation. For us, the Atlantic Charter and President Roosevelt’s proclamation of the Four Freedoms for all peoples are corner-stones of our fighting faith.”
日本語訳
「中国は自らの独立のためだけでなく、あらゆる被圧迫民族の解放のために戦っている。我々にとって、大西洋憲章とルーズベルト大統領がすべての人々に掲げた四つの自由の宣言は、戦いの信念の礎である」
解説
この言葉は、蔣介石が第二次世界大戦期において中国の抗戦を国際的正義の一環として位置づけた発言である。単に自国の独立を守るだけでなく、被抑圧民族全体の解放を目指すと主張することで、抗日戦争を普遍的価値を持つ戦いとして国際社会に訴えたのである。
当時、中国は連合国の一員として日本と戦い、国際的支援を必要としていた。蔣はその正当性を強調するために、大西洋憲章やルーズベルトの四つの自由(言論の自由・信仰の自由・欠乏からの自由・恐怖からの自由)と結びつけ、中国の戦争目的を世界的な民主主義・自由の理念に重ね合わせた。この発言は外交的メッセージとしての役割を強く持っていた。
現代的に見ても、この言葉は国際的連帯と普遍的価値の重要性を示している。自国の独立を超えて他国の自由のためにも戦う姿勢は、今日の国際協力や人道的介入の理念とも通じる。蔣介石の言葉は、戦いを単なる国家防衛に留めず、世界的な価値の擁護として提示する戦略的意義を持っていたのである。
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