「中国は、西洋の帝国主義をアジアにおいて自らの、あるいは他者の東洋的帝国主義や孤立主義で置き換える意図を持っていない」

蔣介石(画像はイメージです)
蔣介石(画像はイメージです)
  • 1887年10月31日~1975年4月5日(87歳没)
  • 中国(清国)出身
  • 軍人、政治家、中華民国総統

英文

”China has no desire to replace Western imperialism in Asia with an Oriental imperialism or isolationism of its own or anyone else.”

日本語訳

「中国は、西洋の帝国主義をアジアにおいて自らの、あるいは他者の東洋的帝国主義や孤立主義で置き換える意図を持っていない」

解説

この言葉は、蔣介石が中国の国際的立場と平和的意図を示した発言である。彼は、中国が西洋の帝国主義に苦しめられた歴史を踏まえ、それを排除した後に自らが新たな帝国主義国家となることを否定した。つまり、中国は覇権追求ではなく、公正な国際秩序を目指すと宣言しているのである。

歴史的背景として、この発言は第二次世界大戦期の文脈に位置づけられる。当時、中国は抗日戦争を戦いながら連合国の一員として国際社会に存在感を示していた。蔣は日本の帝国主義を批判する一方で、中国自身が新たな覇権国家と見なされることを避け、アジアの調和と共存を重視する姿勢を打ち出した。この発言は、戦後の国際秩序において中国が信頼を得るための外交的メッセージでもあった。

現代的に見ても、この言葉は大国の責任と国際協調を考えるうえで重要である。歴史的に帝国主義を経験した国が、その克服後に同じ過ちを繰り返さないことは国際的信頼の礎となる。蔣介石の言葉は、中国の将来像を「覇権国家」ではなく、協調と公正を重んじる国として描こうとした点に意義があるのである。

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