「運動する物体において、その運動は物体の質量と速度の関係によって受け取られ、増し、減じ、または失われる。そしてあらゆる多様性は統一であり、あらゆる変化は不変である」

- 1689年1月18日~1755年2月10日
- フランス王国出身
- 哲学者、法学者、政治思想家
- 『法の精神』において三権分立を提唱し、近代憲法や民主主義理論に大きな影響を与えた。啓蒙時代を代表する思想家として、自由と法の支配の重要性を説いた。
英文
“In bodies moved, the motion is received, increased, diminished, or lost, according to the relations of the quantity of matter and velocity; each diversity is uniformity, each change is constancy.”
日本語訳
「運動する物体において、その運動は物体の質量と速度の関係によって受け取られ、増し、減じ、または失われる。そしてあらゆる多様性は統一であり、あらゆる変化は不変である」
解説
この名言は、自然界の運動における法則性と、その背後にある秩序の存在を強調している。モンテスキューは、物理的な世界に現れる多様な変化も、実は普遍的な原理に基づいていると捉えていた。この場合、「質量と速度の関係」とは、力学的な運動量や作用の法則に通じる視点であり、個別の出来事が根本的には法則によって説明できることを示唆している。
彼は法や制度の多様性を探求したが、それは単なる相対主義ではなく、各制度がそれぞれの条件下で合理性を持つこと、つまり「多様性の中の統一性」を見出す哲学的立場に基づいていた。この名言もまた、外見上は異なるものに見えても、その背後には一定の秩序が流れているという啓蒙的世界観の反映である。
現代においては、社会科学や自然科学を問わず、表面的な変化や多様性の奥にある原理の探求が重要視されている。この名言は、変化を恐れるのではなく、変化の中にこそ不変の原理があると理解することが、知の深化につながるという普遍的な認識を伝えている。一見混沌として見える現象も、法則と理性によって貫かれているという思想がここに凝縮されている。
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