「人間を知れば知るほど、私はますます犬を愛するようになる」

- 1890年11月22日~1970年11月9日
- フランス出身
- 軍人、政治家、第18代フランス大統領
- 第二次世界大戦中に自由フランスを主導し、戦後はフランス第五共和政を樹立。大統領として強力な指導力を発揮し、植民地政策の転換や独自の外交路線を推進した。近代フランスの象徴的指導者として知られている。
英文
“The better I get to know men, the more I find myself loving dogs.”
日本語訳
「人間を知れば知るほど、私はますます犬を愛するようになる」
解説
この名言は、人間の持つ不完全さや裏切り、欺瞞に対する幻滅と、対照的に犬が象徴する純粋さや忠誠心への親しみを率直に語った言葉である。シャルル・ド・ゴールがこのように語ったとすれば、それは彼が長年の政治経験の中で、利害や権力に翻弄される人間関係に深い疲れと懐疑を抱いていたことの表れである。一方で、犬という存在には見返りを求めず、主に寄り添う無条件の信頼と誠実さがあり、それが彼の心を和ませたのであろう。
政治の世界は、ときに信義や友情すらも取引の対象となる。ド・ゴールが指導者として歩んだ時代は、戦争、裏切り、外交の駆け引きに満ちた時代であり、理想に殉じる者はしばしば孤独を強いられる。この言葉は、そうした現実の中で育まれた人間不信の一種であり、それゆえに動物の持つ無垢な性質がより際立って見えたことを示している。
現代においてもこの名言は、多くの人の共感を呼ぶ。人間関係の複雑さや社会的な疲弊感の中で、癒しと安らぎを与えてくれる存在としての動物の価値が再評価されている時代である。この言葉は、単なる皮肉ではなく、信頼と真心がいかに希少であるか、そしてそれがいかに深く求められているかを語る、静かで切実な名言である。
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