「私に誰の影響を受けたかなど聞かないでほしい。ライオンは、消化した子羊たちでできている。そして私は一生、本を読んできたのだ」

- 1890年11月22日~1970年11月9日
- フランス出身
- 軍人、政治家、第18代フランス大統領
- 第二次世界大戦中に自由フランスを主導し、戦後はフランス第五共和政を樹立。大統領として強力な指導力を発揮し、植民地政策の転換や独自の外交路線を推進した。近代フランスの象徴的指導者として知られている。
英文
“Don’t ask me who’s influenced me. A lion is made up of the lambs he’s digested, and I’ve been reading all my life.”
日本語訳
「私に誰の影響を受けたかなど聞かないでほしい。ライオンは、消化した子羊たちでできている。そして私は一生、本を読んできたのだ」
解説
この名言は、影響とは単一の人物や思想によって形づくられるものではなく、無数の経験と知識が内面で融合し、自分自身となる過程であるという深い思想を表している。シャルル・ド・ゴールがこのように語ったとすれば、それは彼の広範な読書と歴史的教養が、彼という存在にどのように溶け込んでいるかを示す比喩である。「ライオン」が象徴するのは強さと独立性であり、「子羊たち」はかつての読み物や思想、つまり素材である。
ド・ゴールは古典文学や軍事史、哲学にも深い関心を持ち、自らの行動や決断の背後には、表には出ない多くの知的蓄積が存在した。この名言は、そうした知識や影響を、単に名前を列挙するのではなく、すでに「消化され、血肉となったもの」として表現している点に、彼の誇りと自負が見て取れる。また、これは知的自己形成の本質は模倣ではなく、融合と超克であるという思想でもある。
現代においてもこの名言は示唆に富む。情報が氾濫し、誰が影響を与えたかが重視される時代にあっても、真に成熟した知性は、それらを内面化し、自らのものとして語れる者の中にしか存在しない。この言葉は、自分という存在が誰かの断片ではなく、数多の影響を咀嚼した結果の「唯一のかたち」であることを、高らかに宣言している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い