「慈悲深く全能なる神が、毛虫の体内で生きながらそれを食べる寄生蜂を意図的に創造したとはどうしても信じられない」
- 1809年2月12日~1882年4月19日
- イングランド(イギリス)出身
- 自然学者、地質学者、生物学者
- 『種の起源』を著し、進化論と自然選択説を提唱した
英文
“I cannot persuade myself that a beneficent and omnipotent God would have designedly created parasitic wasps with the express intention of their feeding within the living bodies of Caterpillars”
日本語訳
「慈悲深く全能なる神が、毛虫の体内で生きながらそれを食べる寄生蜂を意図的に創造したとはどうしても信じられない」
解説
ダーウィンはこの言葉で、自然界の残酷な一面と宗教的信仰の間にある道徳的ジレンマについて言及している。寄生蜂が他の生物を宿主とし、内部から食べて成長するという過程は、苦痛を伴う残酷な行為に見える。このため、ダーウィンは自然の法則と「慈悲深い神」という概念が矛盾するように感じたと述べている。
この考え方は、進化論が広まる中で多くの人々が抱いた疑問を象徴している。進化の過程には適応や自然選択が含まれ、生物の生存競争には残酷さや無慈悲さが伴う場合がある。ダーウィンのこの言葉は、進化の法則が単なる「善悪」を超えて成り立っていることを示唆しており、自然の複雑さや多様性を理解するためには、単純な宗教的な視点では十分でないことを伝えている。
また、この言葉は科学的探究が倫理や宗教的信念にどのように影響を与えるかについても示唆している。ダーウィンの発見や理論は、人間の信仰体系や価値観に大きな問いを投げかけた。自然の現象をそのまま受け入れ、理解しようとする姿勢が、科学的な探究の根幹であり、同時に複雑な倫理観と調和することの難しさも浮き彫りにしている。
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