「文学の根本的な二つの資質は、超自然性と皮肉である」

シャルル・ボードレール(画像はイメージです)
シャルル・ボードレール(画像はイメージです)
  • 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
  • フランス出身
  • 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」

英文

”Two fundamental literary qualities: supernaturalism and irony.”

日本語訳

「文学の根本的な二つの資質は、超自然性と皮肉である」

解説

この言葉は、ボードレールが考える文学の本質的な二側面を端的に示している。彼にとって、超自然性は現実を超えた想像力や神秘を指し、皮肉は人間の矛盾や社会の偽善を暴く手段であった。この二つが結びつくことで、文学は単なる模倣や娯楽ではなく、深い洞察と美的体験をもたらすのである。

19世紀の文学は、ロマン主義から象徴主義への移行期にあり、幻想や夢、悪魔的要素など超自然的な表現が重視された。一方で、急速に変化する社会や価値観に対しては、皮肉や風刺が有効な批評の手段となった。ボードレールはその双方を文学の基盤と見なし、自身の作品においても巧みに組み合わせている。

現代においても、この指摘は有効である。ファンタジーやホラー作品は超自然性に依拠し、風刺小説やブラックユーモアは皮肉を本質とする。さらに現代文学の多くは、現実と非現実を交差させつつ、社会への批評性を帯びている。ボードレールの洞察は、文学が超越と批判の両輪によって成立することを示す普遍的な原理として、今なお輝きを放っている。

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