「無限ほど鋭く堅い棘は存在しない」

- 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
- フランス出身
- 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」
英文
”There is no more steely barb than that of the Infinite.”
日本語訳
「無限ほど鋭く堅い棘は存在しない」
解説
この言葉は、無限という観念の恐ろしさと苛烈さを示している。無限は人間の想像力を超えるものであり、その思索に触れるとき、人は畏怖と不安を同時に抱く。ボードレールはこの圧倒的な概念を、鋭い棘に喩えることで、精神に突き刺さる痛みや動揺を詩的に表現した。
19世紀は科学や哲学が進展し、宇宙や時間、存在についての思索が深まった時代であった。ボードレールにとって、無限は崇高さと恐怖を併せ持つ対象であり、その観念は彼の作品に漂う「崇高なるものへの憧憬と退廃の意識」と密接に結びついている。無限の棘は、人間が決して到達できないものを思うときに感じる痛みそのものを象徴している。
現代においても、宇宙の広がりや時間の永遠性を思索する際、人はしばしば圧倒される感覚を覚える。それは科学的知識が増えた現在でも変わらない。ボードレールの言葉は、人間の有限性と無限の概念の衝突がもたらす精神的苦悩を端的に表し、今日でも普遍的な共感を呼び起こすのである。
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