「常識が教えるのは、この世の事物はほんのわずかしか存在せず、真の現実は夢の中にこそあるということだ。」

- 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
- フランス出身
- 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」
英文
“Common sense tells us that the things of the earth exist only a little, and that true reality is only in dreams.”
日本語訳
「常識が教えるのは、この世の事物はほんのわずかしか存在せず、真の現実は夢の中にこそあるということだ。」
解説
この言葉は、現実と夢との境界を問い直す逆説的な洞察である。常識は通常「現実」を確かなものと見なし、夢を幻想と考える。しかしボードレールは逆に、地上の出来事や物質的存在は儚く限定的であり、むしろ夢の中にこそ持続的で普遍的な「真実」が宿ると述べる。
この思想は、ロマン主義や象徴主義の美学とも響き合っている。彼にとって夢や想像力は単なる逃避ではなく、現実を超えて「美」や「理想」を把握する手段だった。夢の中で見出される象徴や幻視は、現実の断片以上に人間の本質を明らかにすると考えられたのである。
現代的に解釈すれば、これは芸術や文学の役割を示唆する。経済的・物質的な現実は移ろいやすいが、夢や想像、創造力は人間にとってより深い現実感や意味を与える力を持っている。ボードレールの言葉は、私たちに「何が真に現実的か」を再考させる挑発的な警句である。
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