「幼い頃、私は心の中で二つの矛盾した感情を抱いた。人生の恐怖と人生の恍惚である」

- 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
- フランス出身
- 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」
英文
”As a small child, I felt in my heart two contradictory feelings, the horror of life and the ecstasy of life.”
日本語訳
「幼い頃、私は心の中で二つの矛盾した感情を抱いた。人生の恐怖と人生の恍惚である」
解説
この言葉は、人生の二面性を端的に表現している。ボードレールは19世紀フランスの詩人であり、彼の代表作『悪の華』でも、快楽と苦痛、聖と俗、光と闇といった対立する要素が繰り返し描かれている。この名言は、彼が幼少期から既にその二重性を深く感じ取っていたことを示す証左である。
当時のフランスは急速な近代化と社会の変動期にあり、人々は進歩の喜びと同時に不安や虚無を抱えていた。ボードレールはその空気を鋭敏に吸収し、存在の恐怖と歓喜が同時に宿る人間の宿命を詩的に表した。この矛盾は彼の芸術的感受性を形作り、同時に彼自身を苛んだ精神的葛藤でもあった。
現代においても、この感覚は普遍的である。人生には不条理や苦痛が伴う一方で、愛や美、創造の喜びも存在する。例えば、子供の誕生に感じる圧倒的な幸福と同時に責任や不安を抱く親の心境は、この言葉と響き合う。ボードレールの洞察は、我々が日常で味わう恐怖と恍惚の共存を見事に言い当てているのである。
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