「国民の信頼なき権力は無に等しい」

- 1729年5月2日~1796年11月17日
- ロシア帝国出身(生まれはプロイセン王国)
- 女帝、啓蒙君主、政治改革者
英文
”Power without a nation’s confidence is nothing.”
日本語訳
「国民の信頼なき権力は無に等しい」
解説
この言葉は、権力の正当性と安定は国民の信頼に依拠しているという基本的な政治原則を明示している。強制力や法的権限があっても、それを支える民意や信頼がなければ、実質的な統治能力は保てないという主張である。「nothing」という強い言葉が、それを欠いた権力の空虚さと脆弱性を際立たせている。
エカチェリーナ2世は啓蒙専制君主として、自らの権力に理性や公共性の装いを与えようとした。民衆教育や文化事業を通じて、国民に信頼される統治を目指す一方で、反乱や不満が噴き出せば容赦ない弾圧も辞さなかった。こうした二面性の中で、権力の持続には信頼が不可欠であるという認識は、統治の根幹にあったと考えられる。
現代の民主国家においても、この名言の意義は大きい。政治家や政府が権力を行使する際、国民の信頼を損なえば選挙や制度によって即座にその正当性を失う。企業や組織においても、リーダーの権威は部下や社会の信頼によって裏打ちされる。この言葉は、どんな権力も「信頼」という目に見えない土台なくしては成立しえないという、普遍的な真理を語っている。
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