「政治において有能な統治者は、状況、推測、そして巡り合わせによって導かれなければなりません」

- 1729年5月2日~1796年11月17日
- ロシア帝国出身(生まれはプロイセン王国)
- 女帝、啓蒙君主、政治改革者
英文
”In politics a capable ruler must be guided by circumstances, conjectures and conjunctions.”
日本語訳
「政治において有能な統治者は、状況、推測、そして巡り合わせによって導かれなければなりません」
解説
この言葉は、政治判断において理論や理念だけでは不十分であり、現実の複雑な要素を柔軟に読み取る力が不可欠であることを示している。「circumstances(状況)」は目の前の現実を、「conjectures(推測)」は未来予測や不確実な情報の読み取りを、そして「conjunctions(巡り合わせ)」は偶然の要素や他者との関係性の変化を意味している。つまり、政治は動的で、理論よりも直観や適応力が重要な場面が多いという教訓である。
この名言がエカチェリーナ2世のものであるならば、それは彼女自身の政治的柔軟性と現実主義を端的に表した言葉である。彼女は啓蒙思想を信奉しながらも、国内外の変化に応じて現実的な妥協や戦略的判断を重ねた。たとえば、オスマン帝国やポーランドとの複雑な外交、農奴制維持の判断など、理想と現実を秤にかけながら政治を進めていた。この言葉は、まさにそうした姿勢を体現する。
現代の政治指導者にとっても、状況判断・不確実性への対応・多様な利害関係の調整は欠かせない能力である。この名言は、政治とは計画通りにいかないものであり、有能な者ほど即応的に対応できるという現実的かつ実践的な政治哲学を語っている。変化を恐れず、的確に読み取り、行動することが統治の本質であるという普遍的な知恵がここにある。
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