「私の立場では、書きたいときに読むことを強いられ、読みたいときに話すことを求められるのです」

- 1729年5月2日~1796年11月17日
- ロシア帝国出身(生まれはプロイセン王国)
- 女帝、啓蒙君主、政治改革者
英文
”In my position you have to read when you want to write and to talk when you would like to read.”
日本語訳
「私の立場では、書きたいときに読むことを強いられ、読みたいときに話すことを求められるのです」
解説
この言葉は、公的責任と個人的欲求との葛藤を端的に表している。読みたい、書きたいという知的・創造的な欲求があっても、それを妨げるように義務や対外的な対応がのしかかる。ここで語られる「私の立場」とは、統治者としての立場であり、常に他者との応対に追われ、真に内省的な時間を持てない状況を指している。
エカチェリーナ2世は非常に文才と読書欲に富んだ君主であり、多くの書簡や政策文書を自ら執筆した。しかしその一方で、内政・外交・宮廷の運営などに日々追われる中で、読書や執筆の時間を奪われる苦しみもあったはずである。この言葉が彼女のものであるならば、理想と現実のはざまでのもどかしさと、知性を重んじる者としての誠実な告白であるといえる。
現代においても、多忙なビジネスパーソンや行政官、教育者など、知的活動に関わる多くの人々がこの葛藤を共有している。本来ならば深く学び、考え、創作したいと思っていても、実務や会議が優先されてしまう。この名言は、時間と精神の自由が失われがちな社会的責任者の現実を、静かに、しかし鋭く描写するものである。
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