「これらすべては、私とネズミたちだけが鑑賞するためのものです」

エカチェリーナ2世の名言・格言・警句(画像はイメージです)
エカチェリーナ2世の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1729年5月2日~1796年11月17日
  • ロシア帝国出身(生まれはプロイセン王国)
  • 女帝、啓蒙君主、政治改革者

英文

”All this is only for the mice and myself to admire!”

日本語訳

「これらすべては、私とネズミたちだけが鑑賞するためのものです」

解説

この言葉には、自己表現と孤独、そして虚無的な皮肉が含まれている。何か美しいものや努力の成果を作り上げたとしても、それを誰にも見られることなく、ただ自分とネズミだけが眺めるという状況には、認められない創造や孤独な権力の虚しさがにじんでいる。ここでの「ネズミ」は、人間の代わりに存在する唯一の目撃者として、不条理な現実への皮肉を象徴している。

エカチェリーナ2世は多くの芸術や建築事業を奨励し、サンクトペテルブルクを文化的に発展させた女帝であった。しかしその一方で、皇帝の権威にふさわしい偉業を達成しても、民衆の多くには理解されず届かないという隔絶した現実を感じていた可能性がある。この言葉が彼女のものであれば、そのような孤独と栄光の落差に対する自己皮肉的な感慨と解釈できる。

現代にも通じるのは、努力や成果が期待された評価を得られない場面のむなしさである。たとえば、芸術家や研究者が誰にも理解されずに孤独に創作を続ける姿にも似た感覚がある。この名言は、認知されない美とそれを作る者の孤独というテーマを、風刺とユーモアを交えて端的に表現している。

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