フリードリヒ・フォン・シラー

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
人物像と評価
フリードリヒ・フォン・シラー(Friedrich von Schiller)は、ドイツ古典主義を代表する劇作家・詩人・哲学者・歴史家である。
ゲーテと並び称され、両者の協働によってドイツ文学に黄金時代をもたらした。
主な劇作に『群盗』『ドン・カルロス』『ヴァレンシュタイン三部作』『ウィルヘルム・テル』などがある。
彼の作品は、自由、正義、人間の尊厳といった理念に根ざしており、啓蒙思想を背景に、内面の道徳的葛藤と社会との対立を描き出す力に優れている。
また「美は自由の現象である」とする美学的哲学も展開し、芸術が人間を自由に導く力を持つと説いた。
批評面では、観念性の強さゆえに人物造形に硬直性があるとの指摘もあるが、理想主義的精神と劇的構成の妙によって、現在でも舞台で広く演じられる。
彼の思想と文学は、ドイツ精神文化の礎の一つであり続けている。
名言
- 「青春時代の夢に忠実であれ」
- 「何も挑まぬ者は、何も望むべきではない」
- 「そう望むなら、きっぱりと取りかかれ」
- 「英知を愛するには、すでに賢くなければならない」
- 「死のように普遍的なものは、きっと恩恵であるに違いない」
- 「遠い未来に迷うな、汝の時をつかめ」
- 「時代とともに生きよ、されどその奴隷となるな」
- 「宇宙は神の想念のひとつである」
- 「財布を盗めば犯罪、財産を奪えば大胆、王冠を奪えば偉業。罪が大きくなるほど、非難は小さくなる」
- 「誠実はあらゆる境遇において繁栄する」
- 「富者はいっそう富み、貧者はいっそう貧しくなる――この叫びは文明国の至るところで聞かれる」
- 「私は評判よりも優れている」
- 「効用こそこの時代の偉大なる偶像であり、すべての力はこれに仕え、すべての才能はこれに忠誠を誓わねばならぬ」
- 「後世は模倣者に冠を編まぬ」
- 「強き者は独りにして最も強い」
- 「教育の鍵は、美の体験にある」
- 「票は数えられるべきではなく、重みづけされるべきである」
- 「この世を支配するのは見かけである」
- 「自らの時代のために最善を尽くした者は、すべての時代のために生きたのである」
- 「熱狂的な党派の喧騒の中から、真実の声を見分けるのは困難である」
- 「人間が真に人間であるとき、初めて遊ぶ。そして遊ぶときこそ、人間は完全に人間である」
- 「平和を望む者に、平和が与えられぬことは稀である」
- 「この世界を動かしているのは、利益の計算だけである」
- 「愚かさに対しては、神々でさえも無力である」
- 「すべてのものは〈ねばならぬ〉のもとにある。ただ人間だけが〈意志する〉存在である」
- 「大空が世界を抱きしめ、太陽がその光を分け隔てなく注ぐように、慈悲もまた、友にも敵にも等しく注がれねばならぬ」
- 「優美とは、自由のもとで形に宿る美である」
- 「自由はただ教育を通してのみ実現される」
- 「復讐はそれ自体が不毛である。それは恐ろしいものを糧とし、歓びは殺意にあり、行き着く先は絶望である」
- 「世界の歴史こそが、世界の法廷である」
- 「すべてを救うには、すべてを賭けねばならぬ」
- 「人類の大半は欠乏との闘いに疲弊しすぎていて、新たに、より厳しい誤謬との闘いに立ち向かう余力を持たない」
- 「冗談は、それを言った本人が真っ先に笑えば、その効き目を失う」
- 「運命という神秘の壺に、人の手が触れるとき、そこに戦慄なしにはいられない」
- 「人間の意志こそが、その幸福である」
- 「高貴な心はつねに理性に屈する」
- 「人々が大きな機械の部品にすぎない社会において、個人は完全に成長することができない」
- 「考えすぎる者は、ほとんど何も成し遂げられない」
- 「誤ることと夢見ることを恐れるな。深い意味はしばしば子どもの遊びの中にある」
- 「自然でないものからは、何ひとつ善は生まれない」
- 「芸術家がその時代の子であることは疑いない。だが、その弟子となり、あるいは寵児となるならば、彼は災いである」
- 「芸術は自由の娘である」
- 「運命の定めは、知恵に満ちている」
- 「反対は、熱狂者の心に火をつけはしても、決して彼を改心させはしない」
- 「権力こそ、最も説得力ある雄弁である」
- 「変えることのできぬものを耐える術を知る者は、幸いである」
- 「人類の偉大さも卑小さも、その意志によって決まる」
- 「いかなる皇帝といえども、心に命ずる力は持たぬ」
- 「最も小さな小屋にも、幸せな愛の二人を迎える余地はある」
- 「陰気な客は、婚礼の宴にふさわしくない」
- 「この人生のすべての財のうち、名声こそ最も高貴なものである。肉体が塵に帰しても、偉大な名は生き続ける」
- 「ただ倒した敵は再び立ち上がるかもしれない。だが和解した敵こそ、真に打ち負かされた者である」
- 「偶然というものは存在しない。私たちに純粋な事故に見えることさえ、運命の最も深い源から生まれている」
- 「湧き出るアイデアを知性があまりに綿密に吟味すると、心の創造的な働きが妨げられる」
- 「失望は魂にとって、雷雨が空気にもたらすものと同じである」
- 「多数の声は、正義の証にはならない」
- 「戦って王冠を得るのは偉大であり、それを拒むことは神聖である」
- 「安全な港から助言するのはたやすい」
- 「美的な事柄は、社会と個人の調和ある発展にとって根本的である」
- 「長くは隠し通せぬものは、むしろ早めに明かすのが賢明である」
- 「その名誉のためにすべてを喜んで賭けようとしない国民は、無価値である」
- 「大多数がそう言うからといって、そのことが正しい証明にはならない」
- 「気高き心を持て。真の名誉を形づくるのは、他人の評価ではなく、自らの良心である」
- 「芸術は自然の右手である。自然が私たちに存在を与えただけなのに対し、芸術は私たちを人間にした」
- 「すべての真の天才は、必ず無邪気である」
- 「偉大な魂は沈黙のうちに苦しむ」