「キリスト教の宣教師は、貧しく裸の異教徒に福音を説くかもしれないが、ヨーロッパに住む精神的な異教徒たちは、いまだにキリスト教について何も聞いていない」

カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユングの名言
  • 1875年7月26日~1961年6月6日
  • スイス出身
  • 精神科医、心理学者
  • 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した

英文

“The Christian missionary may preach the gospel to the poor naked heathen, but the spiritual heathen who populate Europe have as yet heard nothing of Christianity.”

日本語訳

「キリスト教の宣教師は、貧しく裸の異教徒に福音を説くかもしれないが、ヨーロッパに住む精神的な異教徒たちは、いまだにキリスト教について何も聞いていない」

解説

この名言は、ユングが宗教的形式主義や表面的な信仰に対して批判的な視点を示している。彼は、ヨーロッパ社会におけるキリスト教が、外面的な形式や儀礼として存在している一方で、その本質的な精神や深い理解が失われていることを嘆いている。ユングにとって、真のキリスト教とは、単に教義を学ぶことではなく、内面的な体験や精神的な統合を通じて生きられるものである。

「精神的な異教徒」とは、宗教的な形式を守っていても、実際にはその精神的な教えや真理を体現していない人々を指している。この表現は、宗教的信仰が単なる社会的な習慣や伝統として機能する状況を批判している。ユングは、こうした表面的な信仰が、現代人の内面的な空虚感や疎外感を生んでいると考えた。

この名言は現代においても深い意味を持つ。形式化した宗教や儀式が、精神的な充実感や意味を提供できないとき、個人は内的な空白を感じる。このような状況で必要なのは、宗教的な教えを外的なものとしてではなく、自己探求や精神的成長のプロセスの一環として再発見することである。ユングの言葉は、真の信仰や精神性を見つけるには、形式を超えてその内的な意味に目を向ける必要があると教えている。

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