「否定できない事実として、他者の悪意は私たち自身の悪意となる。それは私たちの心の中の何か邪悪なものに火をつけるからである」
- 1875年7月26日~1961年6月6日
- スイス出身
- 精神科医、心理学者
- 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した
英文
“It is a fact that cannot be denied: the wickedness of others becomes our own wickedness because it kindles something evil in our own hearts.”
日本語訳
「否定できない事実として、他者の悪意は私たち自身の悪意となる。それは私たちの心の中の何か邪悪なものに火をつけるからである」
解説
この名言は、ユングが他者の悪意と自己の内面のつながりについて述べたものだ。彼は、他者の邪悪さや悪意が私たちに影響を与えるとき、それは単なる外的な影響ではなく、私たちの心の中に眠る類似の感情や性質を呼び覚ますものであると考えた。この洞察は、ユングの「影」の概念と深く関係している。
「影」とは、個人が無意識に押し込めた否定的な側面や受け入れがたい性質を指す。他者の悪意が私たちに強い反応を引き起こすのは、それが私たち自身の影に触れるからである。このプロセスは、他者を非難することで自分の影を投影し、無意識的に自分自身を正当化する行動につながることが多い。
現代社会において、この名言は、他者との対立や葛藤が内面的な自己反省の機会でもあることを示している。たとえば、他人の行動に対する怒りや嫌悪感は、自分の中にある未解決の感情や影の存在を明らかにするきっかけとなる。この言葉は、他者の悪意に対して感情的に反応するのではなく、それが自分の中に何を引き起こしているかを見つめる重要性を教えている。そして、それを受け入れ、統合することで、他者との関係や自己理解をより深めることができると示唆している。
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