「すべての悲しみの一部には、いわばその影または反映が含まれている。それは、ただ苦しむだけでなく、自分が苦しんでいるという事実を考え続けなければならないということである。私は終わりのない日々を悲しみの中で生きるだけでなく、悲しみの中で生きていることを考えながら毎日を生きている」
画像のクレジット表示:Aronsyne,”Lewis, age 48″,CC BY-SA 4.0,C.S.-Lewis – C. S. Lewis – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia
- 1898年11月29日~1963年11月22日
- アイルランド出身
- 作家、学者
- 『ナルニア国物語』シリーズや『キリスト教の詩学』など、多くの著作を通じてファンタジー文学と宗教思想に大きな影響を与えた
英文
“Part of every misery is, so to speak, the misery’s shadow or reflection: the fact that you don’t merely suffer but have to keep on thinking about the fact that you suffer. I not only live each endless day in grief, but live each day thinking about living each day in grief.”
日本語訳
「すべての悲しみの一部には、いわばその影または反映が含まれている。それは、ただ苦しむだけでなく、自分が苦しんでいるという事実を考え続けなければならないということである。私は終わりのない日々を悲しみの中で生きるだけでなく、悲しみの中で生きていることを考えながら毎日を生きている」
解説
この言葉は、C・S・ルイスが深い喪失と悲しみを経験した後に著した『悲しみを通して』(A Grief Observed) からの一節である。彼は妻ジョイの死を通じて、個人的な悲しみと向き合い、その過程で苦しみの本質を洞察している。この名言は、単に悲しみを経験することだけでなく、その悲しみに対する自分の思考がさらなる重荷となるという複雑な心理を描写している。
ルイスが述べているように、悲しみそのものが苦しいだけでなく、それを振り返り、自分がその状態にあることを自覚し続けることが、さらなる苦痛を生む。この自己反射的な悲しみは、心の負担を増幅させる。彼の言葉は、人が感情をどのように処理するかについての普遍的な真実を語っており、現代の心理学でも「反芻思考」として知られる現象と一致する。
この考えは、悲しみを経験している人々が、自分の感情や考えを観察する際に特に役立つ示唆を提供する。例えば、悲しみを和らげるためには、自分の思考を客観的に捉えたり、支えとなる外部の助けを求めたりすることが有効である。ルイスの洞察は、悲しみを無理に忘れようとするのではなく、それを受け入れ、そこから立ち直るための道を見つける勇気を与えるものである。
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