「弁証家としての働きほど、自分の信仰にとって危険なものはない。公の議論で成功裏に弁護した直後の教義ほど、私には幻のようで非現実的に感じられるものはない」
画像のクレジット表示:Aronsyne,”Lewis, age 48″,CC BY-SA 4.0,C.S.-Lewis – C. S. Lewis – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia
- 1898年11月29日~1963年11月22日
- アイルランド出身
- 作家、学者
- 『ナルニア国物語』シリーズや『キリスト教の詩学』など、多くの著作を通じてファンタジー文学と宗教思想に大きな影響を与えた
英文
“Nothing is more dangerous to one’s own faith than the work of an apologist. No doctrine of that faith seems to me so spectral, so unreal as one that I have just successfully defended in a public debate.”
日本語訳
「弁証家としての働きほど、自分の信仰にとって危険なものはない。公の議論で成功裏に弁護した直後の教義ほど、私には幻のようで非現実的に感じられるものはない」
解説
この名言は、C・S・ルイスが信仰の弁護者(アポロジスト)としての経験から得た洞察を表している。彼は、キリスト教信仰を知的に弁護する活動が、逆に個人の信仰に挑戦をもたらす可能性があることを警告している。この言葉には、知的な議論に没頭するあまり、信仰が単なる抽象的な概念や理論として感じられる危険性が含まれている。
ルイスが指摘するのは、信仰の本質が理論的な勝利や論争の成功に依存すると、実際の霊的体験や内面的な確信が弱まる可能性である。弁証活動は、論理的に相手を説得することに重きを置くため、神との個人的な関係や信仰の実践的な側面が後回しになる危険がある。彼自身、知的に信仰を守ろうとする中で、時にその教義が生きた真実として感じられなくなる瞬間を経験したのだろう。
この名言は、現代においても信仰の弁護に携わる人々に対する重要な警告となる。理論的な勝利にとらわれるのではなく、自分自身の信仰を日々の生活や霊的な実践の中で深め続けることが不可欠であるという教訓を含んでいる。また、これは宗教に限らず、あらゆる価値観や哲学において、議論や弁護に没頭する人々にとって普遍的なメッセージとして受け取ることができる。
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