「最も小さな動きでさえ、自然全体にとって重要である。一つの小石が、海全体に影響を及ぼすのだ」

- 1623年6月19日~1662年8月19日
- フランス出身
- 哲学者、数学者、物理学者、キリスト教神学者
英文
“The least movement is of importance to all nature. The entire ocean is affected by a pebble.”
日本語訳
「最も小さな動きでさえ、自然全体にとって重要である。一つの小石が、海全体に影響を及ぼすのだ」
解説
この言葉は、パスカルが捉えていた自然界における相互関係と全体性の原理を象徴的に表している。彼は、たとえ微細な出来事であっても、それは全体の秩序や動きに影響を及ぼす力を持つと考えていた。ここでは、小石が海に与えるさざ波のように、一見取るに足らない行為や変化が、世界のあらゆる要素と繋がり、連鎖を生み出すという、現代でいう「バタフライ効果」にも通じる思想が語られている。
この視点は、彼の神学的・哲学的な関心とも一致する。パスカルは、人間の存在も自然の中の一部でありながら、その行為や思考が世界全体と霊的な次元でつながっていると考えた。だからこそ、小さな善行や悪行、思索や感情が、自然的・倫理的に重大な意味を持つ。この名言は、すべてのものが関係性の中で成り立っており、孤立した存在はないという世界観を示している。
現代においても、環境問題、社会構造、個人の選択といった多くの領域で、小さな変化が大きな波及効果を持つことは実証されている。この名言は、一人ひとりの行動や思索に意味があるという倫理的な励ましでもあり、軽視されがちな「わずかなこと」の中にこそ、真の力と責任が潜んでいることを教えてくれる。パスカルはここで、自然と人間、個と全体の深いつながりを静かに、しかし力強く語っている。
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