「自らの土地から得られる自然の産物を最大限に活かして利益を得ることほど、強固な自然権は存在しない」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“There cannot be a stronger natural right than that of a man’s making the best profit he can of the natural produce of his lands.”
日本語訳
「自らの土地から得られる自然の産物を最大限に活かして利益を得ることほど、強固な自然権は存在しない」
解説
この名言は、土地の所有者がその土地の産物から自由に利益を得ることは、生まれながらに与えられた基本的な権利、すなわち「自然権」の中でも最も根本的なものであるという、ベンジャミン・フランクリンの経済的自由に関する強い信念を表している。彼は、個人の労働と創意によって自然から得られる利益を他者や国家が不当に制限することに反対し、人間の自由とは自らの土地や財産を活用して生きることに深く結びついていると考えていた。
この言葉は、特に18世紀の植民地時代において、封建的な制度や重税、土地利用の制限に反発する自由の主張として重要な意味を持っていた。現代においても、土地所有者の権利、環境資源の活用、農業・経済政策といった文脈で、私的財産の活用と公共の利益のバランスを考える際の重要な視点となる。フランクリンのこの主張は、努力と所有の正当性を肯定し、自立した市民社会の基盤を支える考え方でもある。
また、この名言には、自然と調和しながらも、それを知恵と労働で最大限に活かすという、人間の創造性と自由意志への深い信頼が込められている。フランクリンは、自然を搾取するのではなく、その価値を見極め、正しく使うことこそが人間の責任と権利の両立であると考えていた。「土地を持つ者には、それを活かす自由がある」――この名言は、経済的自由と人間の尊厳が交差する地点に立つ、力強い自然権の宣言である。
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