「聖人の歴史とは、主に狂人たちの歴史である」

ベニート・ムッソリーニの名言
ベニート・ムッソリーニの名言
  • 1883年7月29日~1945年4月28日
  • イタリア王国出身
  • 政治家、新聞編集者、独裁者
  • イタリア統一後初のファシスト政権を築き、ファシズムの創始者として知られる。1922年に首相に就任し、全体主義的体制を確立。第二次世界大戦では枢軸国側として参戦するが、戦争末期に失脚し、処刑された。20世紀の独裁政治を象徴する存在である。

英文

“The history of saints is mainly the history of insane people.”

日本語訳

「聖人の歴史とは、主に狂人たちの歴史である」

解説

この発言は、宗教的聖性と狂気の境界を痛烈に問いかけるムッソリーニらしい挑発的な一言である。彼は、聖人とされる人物たちの極端な禁欲、犠牲、自己否定の生き方を常識的な精神の枠から逸脱したものと見なし、それを「狂気」と断じたのである。このような視点は、合理主義やニーチェ的な価値観の影響を強く感じさせる。

ムッソリーニは若年期に無神論的傾向を強め、後には国家と政治を新たな「宗教」のように捉える独自のイデオロギーへと傾斜していった。彼にとって、宗教は個人の自由を抑圧し、理性よりも感情と服従を重んじる非合理の体系であり、聖人はその極致として象徴的な存在であった。この名言は、伝統的な道徳や宗教権威に対する否定と破壊の意志を露骨に表現している。

現代においても、聖性と狂気の類似性は心理学や哲学の分野でしばしば議論される。極端な信仰行為が狂気と紙一重であるという視点は、宗教の社会的意味や個人への影響を再考させる契機となる。この言葉は、信仰や道徳の美名の背後にある人間性の複雑さを暴く問題提起として注目に値する。

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