「新しい考えに驚いてはならない。多くの人に受け入れられないからといって、ある事柄が真実でなくなるわけではない」

- 1632年11月24日~1677年2月21日(44歳没)
- オランダ出身(ポルトガル系ユダヤ人)
- 哲学者、合理主義思想家
英文
”Be not astonished at new ideas; for it is well known to you that a thing does not therefore cease to be true because it is not accepted by many.”
日本語訳
「新しい考えに驚いてはならない。多くの人に受け入れられないからといって、ある事柄が真実でなくなるわけではない」
解説
この言葉は、真理は多数決によって決まるものではないという思想を示している。スピノザが生きた17世紀は、科学革命が進展し、従来の宗教的権威や伝統的価値観に挑戦する新しい思想が次々と登場した時代であった。彼は合理主義哲学者として、真理は理性によって認識されるべきものであり、大衆の同意や権威によって左右されるべきではないと考えたのである。
この考えは、当時の社会において危険を伴うものであった。スピノザ自身、彼の思想が異端とみなされてユダヤ教徒共同体から破門されている。しかし彼はなおも、人間が理性に従って考える自由を主張し続けた。この言葉は、その自由な探究を守るための強い信念を示している。
現代においても、この思想は大きな意味を持つ。新しい技術や社会制度が現れたとき、多くの人が懐疑や拒絶で応じることは珍しくない。しかし、多数に受け入れられないことと真理であるかどうかは無関係である。科学の発見や人権思想の発展も、最初は少数の者の意見から始まった。ゆえに我々もまた、新しい考えに出会ったときに即座に否定するのではなく、理性と批判的思考によって真偽を判断すべきである。
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