「私たちは脆弱な国民ではない。恐怖に支配される国民でもない。私たちの力は、自ら救世主を名乗り、自分のやり方に従えば秩序を取り戻せると約束する者から来るものではない。私たちは支配されることを求めてはいない」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“We’re not a fragile people. We’re not a frightful people. Our power doesn’t come from some self-declared savior promising that he alone can restore order as long as we do things his way. We don’t look to be ruled.”
日本語訳
「私たちは脆弱な国民ではない。恐怖に支配される国民でもない。私たちの力は、自ら救世主を名乗り、自分のやり方に従えば秩序を取り戻せると約束する者から来るものではない。私たちは支配されることを求めてはいない」
解説
この発言は、バラク・オバマが2016年の民主党全国大会で演説した際に述べたものである。彼は、アメリカ国民の成熟と独立心を称えつつ、権威主義的なリーダー像への警戒感を明確に示した。特に「自ら救世主を名乗る者」という表現は、リーダーに盲目的に従う危険性を警告し、民主主義の原則を守る意志を訴えている。
背景には、2016年大統領選挙におけるポピュリズムと排他的ナショナリズムの台頭がある。オバマは、恐怖や怒りに基づく政治ではなく、理性と希望に基づく統治こそがアメリカの伝統であると強調した。この発言は、アメリカ国民に対して自らの運命を主体的に選び取る責任を促すものであり、支配されるのではなく、民主的に参加し続けるべきだというメッセージが込められている。
現代においてもこの警告は極めて重要である。たとえば、権威主義的傾向が世界各地で強まる中で、自由と民主主義を守るためには国民一人一人の意識と行動が不可欠である。オバマのこの発言は、自由を守るためには自立と警戒を忘れてはならないという普遍的な教訓を伝えている。
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