「私たちは、貪欲さと無謀さを報いることで世界一豊かな国になったわけではない。特定の利益団体を好き勝手にさせてきたわけでもない。ウォール街での賭博や紙の上の利益を追いかけるだけでここまで来たわけでもない。私たちは、物を作り、売ることのできる製品を生産することでこの国を築き上げた」

- 1961年8月4日~
- アメリカ合衆国出身
- アメリカ合衆国第44代大統領、政治家、弁護士、作家
英文
“We didn’t become the most prosperous country in the world just by rewarding greed and recklessness. We didn’t come this far by letting the special interests run wild. We didn’t do it just by gambling and chasing paper profits on Wall Street. We built this country by making things, by producing goods we could sell.”
日本語訳
「私たちは、貪欲さと無謀さを報いることで世界一豊かな国になったわけではない。特定の利益団体を好き勝手にさせてきたわけでもない。ウォール街での賭博や紙の上の利益を追いかけるだけでここまで来たわけでもない。私たちは、物を作り、売ることのできる製品を生産することでこの国を築き上げた」
解説
この発言は、バラク・オバマが2008年の金融危機後の経済再建に向けた演説で述べたものである。彼は、過剰な金融依存や特定利益集団の横行がアメリカの本来の成功モデルではないことを強調し、実体経済の再興、特に製造業と生産活動の重要性を訴えた。ここでの「making things(物を作る)」という表現は、実直な労働と価値創造への原点回帰を象徴している。
背景には、ウォール街に対する国民の深い不信感と、バブル経済の崩壊による雇用喪失と生活不安があった。オバマは、アメリカの経済基盤を金融投機ではなく、製造・輸出・技術革新に立ち戻らせる必要があると考え、持続可能で健全な経済成長を目指す道筋を示した。この発言は、倫理的な経済運営と国民の誇りを取り戻すというメッセージを内包している。
現代においてもこの考え方は重要である。たとえば、サプライチェーン強化や産業回帰政策が注目される中、オバマのこの発言は、単なる利益追求ではなく、社会全体を支える生産活動の重視という価値観を改めて思い起こさせる。持続可能な繁栄を築くには、実体ある価値を生み出す経済への信頼と努力が不可欠であることを力強く訴えている。
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