「アメリカ合衆国の大きな強みの一つは…我々には非常に多くのキリスト教徒がいるが、自らをキリスト教国家、ユダヤ教国家、あるいはイスラム教国家とは考えていないということだ。我々は、理想と一連の価値観によって結ばれた市民の国家だと考えている」

- 1961年8月4日~
- アメリカ合衆国出身
- アメリカ合衆国第44代大統領、政治家、弁護士、作家
英文
“One of the great strengths of the United States is… we have a very large Christian population — we do not consider ourselves a Christian nation or a Jewish nation or a Muslim nation. We consider ourselves a nation of citizens who are bound by ideals and a set of values.”
日本語訳
「アメリカ合衆国の大きな強みの一つは…我々には非常に多くのキリスト教徒がいるが、自らをキリスト教国家、ユダヤ教国家、あるいはイスラム教国家とは考えていないということだ。我々は、理想と一連の価値観によって結ばれた市民の国家だと考えている」
解説
この発言は、バラク・オバマがアメリカの宗教的多様性と世俗的国家理念について語ったものである。彼は、アメリカには多数のキリスト教徒が存在する事実を認めつつも、国家としては特定の宗教に基づくものではないと明確に述べ、共通の理想と価値観によって国民が結ばれていることを強調している。特に「bound by ideals and a set of values(理想と一連の価値観によって結ばれている)」という表現は、宗教を超えた市民的結束の理念を端的に示している。
背景には、アメリカ合衆国建国の原則である政教分離と宗教の自由がある。オバマは、信仰の自由を尊重しながらも、国民全体を特定の宗教アイデンティティに基づかせるべきではないという建国理念を擁護し、多様性を包摂する民主主義国家のあり方を再確認した。この発言は、包括的で開かれたナショナル・アイデンティティを訴えるものである。
現代においてもこのメッセージは極めて重要である。たとえば、宗教対立や排他主義が社会不安を引き起こす中で、オバマのこの発言は、異なる信仰や背景を持つ人々が共通の価値を基盤に共存することの重要性を力強く示しており、多様性を力とする民主社会の普遍的な理念を鮮やかに体現している。
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