「私の仕事は、ワシントンをあなたに代弁することではなく、あなたをワシントンに代弁することだ」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“My job is not to represent Washington to you, but to represent you to Washington.”
日本語訳
「私の仕事は、ワシントンをあなたに代弁することではなく、あなたをワシントンに代弁することだ」
解説
この発言は、バラク・オバマが政治家としての基本姿勢と国民との関係を明確にしたものである。彼は、ワシントンの権力構造や官僚主義の代理人ではなく、国民の声と意志を代表する存在であるべきだという考えを強調している。特に「represent you to Washington(あなたをワシントンに代弁する)」という表現は、国民主権と政治の本来の役割を力強く示している。
背景には、アメリカ政治に対する不信感の高まりや政治と市民との乖離がある。オバマは、国民の代表者として、民意を直接的に反映させる政治を目指す姿勢を打ち出し、権力と市民との間に生じた隔たりを埋めることを誓った。この発言は、民主主義におけるリーダーの責任と倫理意識を体現している。
現代においてもこの考え方は重要である。たとえば、エリート主義への反発やポピュリズムの台頭が見られる中で、オバマのこの発言は、政治家は国民の代弁者であり、権力の代弁者ではないという、民主主義の基本原則を改めて鮮明に訴えている。市民に奉仕する政治のあり方を力強く提示する言葉である。
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