「ミシェルと私は、誰かに家族の主治医を決めてもらいたいとは思わないし、あなたに対してもそうであるべきではない。私たちの提案のもとでは、今の医者が気に入っているなら、その医者を変える必要はない。現在の保険が気に入っているなら、その保険を維持できる。以上、これで終わりだ」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“Michelle and I don’t want anyone telling us who our family’s doctor should be – and no one should decide that for you either. Under our proposals, if you like your doctor, you keep your doctor. If you like your current insurance, you keep that insurance. Period, end of story.”
日本語訳
「ミシェルと私は、誰かに家族の主治医を決めてもらいたいとは思わないし、あなたに対してもそうであるべきではない。私たちの提案のもとでは、今の医者が気に入っているなら、その医者を変える必要はない。現在の保険が気に入っているなら、その保険を維持できる。以上、これで終わりだ」
解説
この発言は、バラク・オバマが医療保険改革(通称オバマケア)を推進する過程で、国民の不安を和らげようとした際に述べたものである。彼は、改革によって既存の医師や保険契約が強制的に変更されることはないと明言し、個人の選択の尊重を強調した。この発言は、改革の意図があくまでも保護と拡充であり、干渉ではないことを示そうとするものだった。
背景には、アメリカの医療制度に対する強い懸念と不信感が存在していた。特に、政府が介入することで自由な選択が奪われるのではないかという声が根強くあった。オバマはこの点を意識し、「自由に医師と保険を選ぶ権利」を守ることを約束することで、改革への支持を広げようとした。しかし後に、制度変更により一部の保険契約が終了する事例も発生し、この発言は大きな政治的論争を引き起こした。
現代においても、この問題提起は重要である。たとえば、政策変更による影響をいかに正確に国民に伝えるか、また改革の信頼性をどう担保するかといった課題は、今日の公共政策においても中心的なテーマである。オバマのこの発言は、リーダーの約束と現実とのギャップの難しさを象徴する一例として語り継がれている。
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