「私は、一般教書演説を含めて非常に明確に述べてきたが、『聞かない、言わない』政策に反対しており、この政策を終わらせるつもりである」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“I’ve said very clearly, including in a State of the Union address, that I’m against ‘don’t ask, don’t tell’ and that we’re going to end this policy.”
日本語訳
「私は、一般教書演説を含めて非常に明確に述べてきたが、『聞かない、言わない』政策に反対しており、この政策を終わらせるつもりである」
解説
この発言は、軍におけるLGBTQ+の権利拡大への明確な意思表明である。オバマは、同性愛者が自らの性的指向を明かせないまま軍務に就くことを強いた「聞かない、言わない」政策に反対し、その廃止を進めると国民に約束した。ここには、平等と尊厳をすべての市民に保障するべきだという信念が込められている。
この発言の背景には、1993年に導入された「聞かない、言わない」政策がある。当初は妥協策とされたが、結果的に多くの兵士が差別や不当な扱いを受ける原因となった。オバマは、軍においても個人の尊厳と人権が守られるべきであるという原則に立ち、制度の改革を実行に移したのである。
現代においても、性的指向や性自認に基づく差別との闘いは続いている。この名言は、一人ひとりの尊厳を守ることが、自由で平等な社会を築くために不可欠であるという普遍的なメッセージを伝えており、権利擁護運動にとって重要な転換点となった決意表明である。
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