「私には9歳と6歳の娘がいる。まず最初に、彼女たちには価値観と道徳を教えるつもりだ。しかし、もし彼女たちが過ちを犯したとしても、赤ん坊によって罰せられるようなことにはしたくない」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“I’ve got two daughters. 9 years old and 6 years old. I am going to teach them first of all about values and morals. But if they make a mistake, I don’t want them punished with a baby.”
日本語訳
「私には9歳と6歳の娘がいる。まず最初に、彼女たちには価値観と道徳を教えるつもりだ。しかし、もし彼女たちが過ちを犯したとしても、赤ん坊によって罰せられるようなことにはしたくない」
解説
この発言は、バラク・オバマが性教育や避妊、リプロダクティブ・ライツに関する考えを語った際のものである。彼は、子どもたちに倫理観と責任を教えることの重要性を強調する一方で、若者が過ちを犯した場合に過度な罰を受けるべきではないという柔軟な立場を示している。特に「punished with a baby(赤ん坊によって罰せられる)」という表現は、出産を罰として扱う考え方への批判を含んでいる。
背景には、アメリカ社会における性教育のあり方や人工妊娠中絶の是非をめぐる激しい議論がある。オバマは、責任ある教育と現実的な支援策によって、若者に自らの将来を守る選択肢を与えるべきだと考えていた。この発言は、道徳教育と権利尊重のバランスを取るアプローチを象徴している。
現代においてもこの視点は極めて重要である。たとえば、若年層への包括的性教育の推進や、リプロダクティブ・ヘルスへのアクセス保障において、オバマのこの発言は、倫理的指導と現実的支援の両立が不可欠であるという重要な教訓を提供している。個人の尊厳と選択の尊重を支える考え方として、今なお大きな意味を持っている。
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