「私の大統領任期における数少ない後悔の一つは、党派間の敵意と不信が改善されるどころか、悪化してしまったことだ。リンカーンやルーズベルトのような資質を持った大統領なら、よりうまく分断を埋めることができたかもしれない。しかし私は、この職にある限り、より良くあろうと努力し続けることを誓う」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“It’s one of the few regrets of my presidency – that the rancor and suspicion between the parties has gotten worse instead of better. There’s no doubt a president with the gifts of Lincoln or Roosevelt might have better bridged the divide, and I guarantee I’ll keep trying to be better so long as I hold this office.”
日本語訳
「私の大統領任期における数少ない後悔の一つは、党派間の敵意と不信が改善されるどころか、悪化してしまったことだ。リンカーンやルーズベルトのような資質を持った大統領なら、よりうまく分断を埋めることができたかもしれない。しかし私は、この職にある限り、より良くあろうと努力し続けることを誓う」
解説
この発言は、党派対立の深刻化に対する自己批判と不断の努力への誓いを表明している。オバマは、在任中に政治の分断を乗り越えられなかったことを率直に認め、それでも和解と対話を目指して努力を続ける意志を語っている。ここには、自己反省と謙虚さ、そして国家統一への揺るぎない信念が込められている。
この発言の背景には、オバマ政権期に激化した共和党と民主党の対立、議会の機能不全がある。オバマは、歴史上の偉大な統合者たるリンカーンやルーズベルトに自らを重ねつつ、困難な現実を前にしても理想を諦めず挑み続ける姿勢を国民に示そうとしたのである。
現代においても、政治的分断は世界各地で深刻な課題となっている。この名言は、真のリーダーシップとは結果だけでなく、常に自らを省み、国を一つにするために努力を重ねる姿勢にあるという普遍的な教訓を力強く伝えている。
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