「だから、彼らが不満を抱き、銃や宗教にしがみついたり、自分たちと異なる人々への反感や、反移民感情、反貿易感情を、自らの不満の説明手段として用いるのも、驚くべきことではない」

- 1961年8月4日~
- アメリカ合衆国出身
- アメリカ合衆国第44代大統領、政治家、弁護士、作家
英文
“It’s not surprising, then, they get bitter, they cling to guns or religion or antipathy to people who aren’t like them or anti-immigrant sentiment or anti-trade sentiment as a way to explain their frustrations.”
日本語訳
「だから、彼らが不満を抱き、銃や宗教にしがみついたり、自分たちと異なる人々への反感や、反移民感情、反貿易感情を、自らの不満の説明手段として用いるのも、驚くべきことではない」
解説
この発言は、バラク・オバマが経済的・社会的に疎外された人々の心理について述べたものである。彼は、構造的な困難に直面した人々が、不満や不安のはけ口を特定のアイデンティティや排他的感情に求める傾向を説明している。特に「cling to guns or religion(銃や宗教にしがみつく)」や「antipathy to people who aren’t like them(異なる人々への反感)」という表現は、経済的絶望と社会的分断の結びつきを鋭く描き出している。
背景には、2008年の大統領選挙中に、オバマがアメリカ中西部の経済困窮地域を訪問し、長期的な経済停滞と社会的孤立が政治的態度に与える影響を語った文脈がある。この発言は物議を醸したが、オバマは問題の核心にあるのは経済的不安であり、単純な偏見ではないことを理解する必要性を訴えた。この発言は、経済政策と社会統合の不可分な関係を示している。
現代においてもこの問題意識は極めて重要である。たとえば、グローバル化や技術革新による雇用不安、ポピュリズムや排外主義の台頭を考えると、オバマのこの発言は、経済的基盤の安定が社会的寛容と結びついているという普遍的な教訓を力強く示している。経済再生と社会包摂を一体として追求する必要性を訴える言葉である。
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