「複雑な脅威が渦巻く世界において、我々の安全保障とリーダーシップは、強力で原則に基づいた外交を含む、あらゆる力の要素に依存している」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“In a world of complex threats, our security and leadership depends on all elements of our power – including strong and principled diplomacy.”
日本語訳
「複雑な脅威が渦巻く世界において、我々の安全保障とリーダーシップは、強力で原則に基づいた外交を含む、あらゆる力の要素に依存している」
解説
この発言は、バラク・オバマが国際社会におけるアメリカの安全保障と指導力について語ったものである。彼は、現代世界の脅威は単純ではないため、軍事力だけでなく、外交力、経済力、倫理的正当性など多様な力の総合的な行使が不可欠であると強調している。特に「strong and principled diplomacy(強力で原則に基づいた外交)」という表現は、力と道義の両立を目指す外交姿勢を明示している。
背景には、冷戦後の世界で台頭したテロリズム、核拡散、地域紛争、サイバー攻撃といった多様で断続的な脅威がある。オバマは、これらに対応するためには、単なる軍事的介入ではなく、国際連携と倫理に根ざした外交による問題解決が必要であると訴えた。この発言は、スマートパワー(軍事力とソフトパワーの統合)外交の理念を象徴するものである。
現代においてもこの考え方は非常に重要である。たとえば、気候変動対策、ウクライナ危機、インド太平洋地域の安全保障問題などにおいて、オバマのこの発言は、単なる武力誇示ではなく、原則に基づく外交努力が真の指導力を支えるという普遍的な教訓を力強く伝えている。
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