「民主党は貧しい人々の面倒を見て、共和党は金持ちの面倒を見て、誰も自分たちのことを見てくれていないと人々が感じ続けるなら、物事はあまり進まない。そして、傾向を見ると、人々が締め付けられてきたことが明らかだ。特に2007年、2008年には、自分たちがいかに脆弱であったかを人々は痛感することになった」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“If people continue to feel like Democrats are looking after poor folks and Republicans are looking after rich folks and nobody is looking after me, then we don’t get a lot of stuff done. And the trend lines evidence the fact that folks have gotten squeezed. And obviously, 2007, 2008 really ripped open for people how vulnerable they were.”
日本語訳
「民主党は貧しい人々の面倒を見て、共和党は金持ちの面倒を見て、誰も自分たちのことを見てくれていないと人々が感じ続けるなら、物事はあまり進まない。そして、傾向を見ると、人々が締め付けられてきたことが明らかだ。特に2007年、2008年には、自分たちがいかに脆弱であったかを人々は痛感することになった」
解説
この発言は、政治の両極化が国民の不信感を深め、問題解決を妨げている現実を指摘している。オバマは、既存の政党構造が庶民の声を十分に拾えていないとする認識を示し、国民が見捨てられたと感じる社会では有効な政策遂行が困難になることを訴えている。ここには、政治を国民全体のために取り戻すべきだという強い問題意識が込められている。
この発言の背景には、2007年から2008年にかけて発生した世界金融危機による中間層と低所得層の急激な生活不安がある。リーマン・ショックによって多くの家庭が自らの経済的脆弱さを痛感し、従来の政治への信頼が揺らいだ。オバマは、こうした現実を踏まえ、包括的な経済再建と国民の安心感回復を最優先課題としたのである。
現代においても、格差と政治への不信は民主主義社会の深刻な課題である。この名言は、すべての国民が社会の一員として尊重され、支えられていると感じられる政治こそが、国家の安定と繁栄に不可欠であることを強く訴え、政治の本来の使命を改めて思い起こさせるものである。
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