「公民権に該当するものは数多くあると私は考えているが、伝統的な結婚のように、特定の制度に対する共同体の関心や敬意を表すものもあると私は思う」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“I think there are a whole host of things that are civil rights, and then there are other things — such as traditional marriage — that, I think, express a community’s concern and regard for a particular institution.”
日本語訳
「公民権に該当するものは数多くあると私は考えているが、伝統的な結婚のように、特定の制度に対する共同体の関心や敬意を表すものもあると私は思う」
解説
この発言は、バラク・オバマが公民権と社会的制度に対する立場について語ったものである。彼は、すべての主張が単純に公民権に分類されるわけではなく、伝統的な結婚のように、文化や共同体の価値観に根ざした制度も存在することを認めた。ここでの「express a community’s concern and regard(共同体の関心と敬意を表す)」という表現は、制度の社会的意味を重視する視点を示している。
背景には、アメリカ社会における同性婚や家族観をめぐる議論がある。オバマは当初、伝統的な結婚制度を尊重しつつ、すべての人に対する公平な取り扱いを求めるという慎重な立場を取っていた。この発言は、文化的伝統と個人の権利との間でバランスを取ろうとする姿勢を表しており、社会の多様な意見に配慮した政治的リアリズムがうかがえる。
現代においてもこの視点は重要である。たとえば、文化的慣習と人権保障の間で政策が揺れる場面において、オバマのこの発言は、価値観の多様性を尊重しながらも、共通の公民権基準を模索する必要性を訴えるものとなっている。複雑な社会問題に対して慎重かつ誠実に向き合うリーダーシップの姿勢を示す言葉である。
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