「先週、大陪審の決定を受けて述べたように、ファーガソンは、セントルイスやその地域に特有の問題でも、我々の時代に特有の問題でもないものを露わにした。それは、あまりにも多くの警察署と有色人種コミュニティとの間に存在する、くすぶる不信感である」

バラク・オバマの名言・格言・警句
  • 1961年8月4日~
  • アメリカ合衆国出身
  • アメリカ合衆国第44代大統領、政治家、弁護士、作家

英文

“As I said last week in the wake of the grand jury decision, I think Ferguson laid bare a problem that is not unique to St. Louis or that area, and is not unique to our time, and that is a simmering distrust that exists between too many police departments and too many communities of color.”

日本語訳

「先週、大陪審の決定を受けて述べたように、ファーガソンは、セントルイスやその地域に特有の問題でも、我々の時代に特有の問題でもないものを露わにした。それは、あまりにも多くの警察署と有色人種コミュニティとの間に存在する、くすぶる不信感である」

解説

この発言は、バラク・オバマがミズーリ州ファーガソンにおける黒人青年射殺事件と大陪審の不起訴決定を受けて語ったものである。彼は、ファーガソンの事件を特定の地域や時代の問題ではなく、アメリカ全体に根深く存在する構造的課題であると位置づけた。特に「simmering distrust(くすぶる不信感)」という表現は、表面化しにくいが深刻な対立と不安を的確に表現している。

背景には、アメリカにおける人種間の緊張と警察による過剰な暴力行使が長年続いてきた歴史がある。オバマは、個別の事件としてではなく、制度的な不平等と信頼崩壊という広範な問題を国民に認識させ、対話と改革による関係修復を促した。この発言は、過去と現在を一貫して見つめ、問題の根源に向き合うリーダーシップを示すものである。

現代においてもこの指摘は極めて重要である。たとえば、警察改革、司法制度改革、人種間対話など、オバマが指摘した課題は今なお解決されていない。オバマのこの発言は、歴史的背景を正しく理解し、持続的かつ誠実な取り組みを通じて社会の信頼回復を目指すべきであるという普遍的な教訓を力強く伝えている。

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