「だから私たちの医療制度改革の目標は、医療費の年間上昇率を6パーセントではなく、インフレ率に合わせるか、せいぜいインフレをわずかに上回る程度に抑えることだ。それができれば、私たちは大きな進歩を遂げたことになる。そして、ちなみに、それこそが財政赤字を削減するために私たちができる最も重要なことだ。それが私たちが改革に取り組んだ理由だ」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“And so our goal on health care is, if we can get, instead of health care costs going up 6 percent a year, it’s going up at the level of inflation, maybe just slightly above inflation, we’ve made huge progress. And by the way, that is the single most important thing we could do in terms of reducing our deficit. That’s why we did it.”
日本語訳
「だから私たちの医療制度改革の目標は、医療費の年間上昇率を6パーセントではなく、インフレ率に合わせるか、せいぜいインフレをわずかに上回る程度に抑えることだ。それができれば、私たちは大きな進歩を遂げたことになる。そして、ちなみに、それこそが財政赤字を削減するために私たちができる最も重要なことだ。それが私たちが改革に取り組んだ理由だ」
解説
この発言は、バラク・オバマが医療制度改革(オバマケア)を推進した目的について説明したものである。彼は、医療費の高騰を抑えることが、経済全体、特に連邦財政の健全化にとって決定的に重要であると強調している。ここでの「health care costs going up at the level of inflation(インフレ率並みの医療費上昇)」という目標設定は、現実的でありながらも野心的な改革の姿勢を示している。
背景には、アメリカにおける医療費の長期的な急騰があり、これが家計負担増大と財政赤字拡大の主要因となっていた現実がある。オバマは、医療制度改革によって単に保険加入者を増やすだけでなく、制度全体のコスト構造を持続可能なものへと転換しようとした。この発言は、医療改革が経済政策であると同時に財政政策でもあるという多面的な意図を明確に示している。
現代においてもこの視点は重要である。たとえば、高齢化社会における医療費増大と財政負担問題は、多くの国で共通する課題となっている。オバマのこの発言は、社会保障制度の改革は未来への投資であり、国家財政の持続可能性確保と不可分であるという視点を、力強く示している。
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