松下幸之助 「素直な心とは、私心なくくもりのない心というか、一つのことにとらわれずに、物事をあるがままに見ようとする心といえるでしょう。そういう心からは、物事の実相をつかむ力も生まれていくるのではないかと思うのです」
松下幸之助 「経済現象というものは、雨が降ったり日が照ったりというような自然現象とはまったく違って、人間が考え、人間が生み出すものなのである。そういうものだとわかれば、あとは人間の思うままにこれを動かしたらいい」
松下幸之助 「経営理念というものは、単に紙に書かれた文章であってはなんにもならないのであって、それが一人ひとりの血肉となって、はじめて生かされてくるのである。だからあらゆる機会にくり返しくり返し訴えなければならない」
松下幸之助 「自社の発展だけを考えて、周囲のおもむくところを忘れたら、お互いの足もとが崩れます。そこにはおのずから自然の理というか、中庸というか、ほどほどというか、謙虚にそして楽々と歩む道があるわけです」
松下幸之助 「自分は千載一遇の好機に生まれた。かつてない人生に出会った。そういう時世に出会ったということは、過去何千億の人々のうち、だれよりも恵まれた時代に生を得たのだ。この喜びを素直に喜んで、名優としての芝居をうたないといけない」
松下幸之助 「苦労を厭うというような貧困な心弱いことではいけない、苦労をすすんでしなければならない、苦労は買ってでもしなければならない、そうしてこそ真人間になるのだ、ほんとうの筋金入りの人間になるのだ」
松下幸之助 「説得力というものは、自然に生まれてくるものでもなければ、口先だけの技術でもない。やはり、これが正しいのだ、こうしなくてはいけないのだ、という強い信念なり熱意が根底にあってはじめて生まれてくるものであろう」
松下幸之助 「金をルーズにすれば、何もかもがルーズになるものです。ですから健全にやっている会社なり商店は、日ごろから金というものには比較的敏感で、集金についても支払いについても実によく気をくばっておられるように思います」
松下幸之助 「長所ばかり見て短所をまったく見ないということではいけないだろうけれども、主として長所を見て、その長所を伸ばしていくように心がける。長所に七分、短所に三分といった目の向け方をしていくことが大事だと思う」
松下幸之助 「資本は現代においては一つの強い力なのである。これを正しく行使すれば、社会に有益な働きをするが、誤って使えばとんでもないことになる。私的な横暴となってその業界を乱し、ひいては社会全体に大きなマイナスを生み出してしまう」