松下幸之助 「本業に全身全霊をささげて、そこに喜びが湧いてこないというようなことでは、その本業から去らなければならないという見方もできると思います。能力の問題ではありません。それに全身全霊を打ちこむ喜びをもつかもたないかの問題です」
松下幸之助 「景気はくり返すというが、人間の本質のとおり動いているのではないかと思う。特に心がけのいい人は、理性をもって困難を克服する。いっぱい食わないで、いつも八分目に食っておく。そのかわり、ある一定期間ちゃんとためておく」
松下幸之助 「極端にいえば、一軒のお得意を守りぬくことは百軒のお得意を増やすことになるのだ、また逆に、一軒のお得意を失うことは、百軒のお得意を失うことになるのだ、というような気持ちで、商売に取り組んでいくことが肝要だと思います」
松下幸之助 「真の自省とは、主義とか思想以前の、いわば人間としてのいちばん大事で基本的な心がまえの一つなのであり、この基本に立ってこそ、はじめて『われ何をなすべきか』ということがわかってくるのではなかろうか」
松下幸之助 「社会に対して自分を誇示したいという気が、人間いくつになってもあるものだ。それは個人の仕事の範囲であろうが、会社の仕事であろうが、あるいは国の仕事であろうが、人生の失敗は全部、そういうところから芽生えるように思う」
松下幸之助 「瞬間を争う大事な事柄を報告するいわば非常の場合に、何としてもまず直接の上司に言わねばならないんだとか、やはり組織を通じて処理しなければ叱られるんだとか言っていたのでは、競争に負けてしまうというようなことにもなろう」
松下幸之助 「社長というものは、従業員が一万人いれば一万人の心配を背負っていくものです。ですから、心配で夜も眠れないというときもあります。眠れないからつらい、苦しい。しかしそのつらいところが社長の生きがいである」
松下幸之助 「私が、自分は知らないことがたくさんあるということをありのままにみんなに知ってもらったから、そうした欠点をカバーするために皆がもてる知識や知恵を提供してくれ、そこから成果が生まれてきたのだと思う」