松下幸之助 「まず、商売人として、また社会人として、ものの正しい価値判断ができないようなことでは困ります。ですから会社においては、あらゆる点において正しい価値判断のできる人を養成しなければならないと思うのです」
松下幸之助 「なぜ三日もかかったかといいますと、その字の太さ、字と字の間隔、また周囲から見て、字はどういうような感覚になるかということを考えぬいたからです。寝間に入っても、その書いたものを新聞の上において眺めてみることもしました」
松下幸之助 「サービス精神に事欠いてはならない。それは、友人に対するサービスであるし、会社に対するサービスであるし、顧客に対するサービスであるし、社会に対するサービスである。いっさいがサービスから始まると考えていいと思う」
松下幸之助 「どんな仕事をしている人でも、その人なりに、そういうものをもっているのが原則ではないかと思います。そういうものをもたない、『なにがなしにおれは働いているのだ』と言う人があれば、それはけしからんと思うのです」
松下幸之助 「一見無理解と思われる先輩にぶつかった人も『これは、自分が名人になれるチャンスだ』というように、積極的に受けとめてはどうでしょうか。そこに自分を大きく伸ばしていく道があるのではないか、そんな気がするのです」
松下幸之助 「不平を訴えることもある場合には必要である。けれども、なにげなしに不平を言うのであったらいけない。それは心弱き者の姿である。大丈夫の精神、信念をもっている人間は少々困難やからというて悲鳴をあげたりはしない」
松下幸之助 「三年も儲かったら、その明けの年もまた儲かるかというと、なかなかそうは儲かるものじゃない。三年儲かったら、その一年分を返す。こういう考えでやるとよろしい。その肚ができておれば、この際なにも驚く必要はない」
松下幸之助 「不況とか混迷というものは、われわれ自身お互いがつくり出したものである。政府当局も一緒になってお互いにつくり出したものである。だから、これは必ずわれわれの精神転換、考え方の転換によって直すことは可能である」
松下幸之助 「世の中というのは決してむずかしくないと思うんです。むずかしくないものをむずかしくするのはだれかというと、本人自身ですわ。自分自身がむずかしくしている。ほんとうは坦々たる大道がひらけているんです」
松下幸之助 「人柄といったものはある程度先天的な面もあって、だれもが身につけることはむずかしいかもしれない。しかし、人情の機微に通じるとか、人を大事にするとかといったことも、努力次第で一つの魅力ともなろう」