森鴎外 「著作家は葬られる運命を有している。無常を免れない。百年で葬られるか、十年で葬られるか、一年半年で葬られるかが問題である。それを葬られまいと思ってりきんで、支那では文章は不朽の盛事だ何ぞという。覚束ない事である」
森鴎外 「大家大家。大家とは抑々何なる人ぞ。人に推称せられてなれるにや。将た自ら尊重してなれるにや。何れの国、何の世にも大家というものありて、まことにありがたく、慕わしく、浦山しきものなるが、中には又おそろしく、気味悪く、にくむべきも少なからず」
森鴎外 「薬は勿論の事、人生に必要な嗜好品に毒になることのある物は幾らもある。世間の恐怖はどうかするとその毒になることのある物を、根本から無くしてしまおうとして、必要な物までを遠ざけようとするようになる」