松下幸之助 「『人情の機微』という言葉がありますが、ほんの些細なことで、うれしくなったり、悲しくなったり、あるいは怒りを感じたり、また、大きくふくらんだり、しぼんでしまったり、微妙に動くのが人の心です」
松下幸之助 「いかなる指導者の下にあっても、自己の心のもちようで修養はできるものであり、性格、意見の異なった指導者の下にあってこそ、かえってよりよく修養が得られるものであることを深く考えなければならない」
松下幸之助 「およそ人間の能力には限度があるのであって、多方面を一人が兼ねて担当するということは、能力を分散し、結局そのいずれをも粗雑化してしまい、精緻にして完璧な、高度の専門的な運営効果は期しえないと思う」
松下幸之助 「いつのまにかこうなっちゃったんだ。それで人は成功者や成功者やとこう言う。だから、ちょっとこうくすぐったいように思うんだ。が、考えてみると、やっぱりこうなるだけの運命をもっておったんだろう。こう思うよりしかたがない」
松下幸之助 「うちの社長はもう一生懸命にやっている、『もう気の毒や』という感じが社員のあいだに起これば、全部が一致団結して働くでしょう。けど、そうでないかぎりは、あなたの活動の程度にみな働くでしょう(笑)」
松下幸之助 「そこには予期できない多くの障害があり、しかもそれらの障害の中にありながら、われわれは常に、自分の道を求め、自分の仕事を進めてゆかねばならない、というのが人生の姿ではないかという気がするのである」
松下幸之助 「たとえ自分の会社でヒット商品を出したとしても、それに安心するのではなく、その商品をライバルとしてすぐつぎのよりお客様に喜ばれる商品を考えていく、そういう日に新たな姿を生み出していくことこそ大事だと思うのです」
松下幸之助 「せっかくの九九パーセントの貴重な成果も、残り一パーセントの止めがしっかりと刺されていなかったら、それは初めからなきに等しい。もうちょっと念を入れておいたら、もう少しの心くばりがあったならーー後悔することばかりである」
松下幸之助 「お互いの経営なり、商売というものは、これを医学にたとえれば、基礎医学ではなく臨床医学にあたると思うのです。その意味では、これにあたる者はみな、実地の体験を積んだ臨床家でなくてはならないと思います」
松下幸之助 「たとえ少数株しかもっていない株主であっても、単に株をもって配当を受け取るというだけでなく、会社の主人公たる株主としての権威、見識をもって会社の番頭である経営者を叱咤激励する、ということも大に望ましいと思うのである」