「霊である魂は塵の中に宿ることはできない。それは血の中に宿るために運ばれていく」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”The soul, which is spirit, can not dwell in dust; it is carried along to dwell in the blood.”

日本語訳

「霊である魂は塵の中に宿ることはできない。それは血の中に宿るために運ばれていく」

解説

この言葉はアウグスティヌスに帰されることがあるが、彼の著作に同一の文言は確認されていない。したがって、真正の言葉ではなく、彼の霊魂論を後世的に要約した表現である可能性が高い。

アウグスティヌスは魂を「霊的実体」として理解し、物質そのものには還元できないと考えた。彼は『三位一体論』や『神の国』などで、魂は肉体に結びつきつつも、物質を超えた存在であると論じている。この引用の趣旨は、魂は単なる物質ではなく、生命を司る霊的原理として血や肉体の活動を通じて働くという観点を表現していると解釈できる。

現代においても、この言葉は象徴的な意味を持つ。魂を「塵」にではなく「血」に宿るとする比喩は、魂を単なる死物ではなく、生きた生命活動の根源にあるものとして捉える姿勢を示している。科学的な生命理解とは異なるが、魂を生命の躍動と結びつけて語るこの発想は、人間存在を物質以上の次元で理解しようとする思想として意義を持つ。

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